●本プログラムの内容と特徴
テーマは、「戦争は文化や教育に何を残したのか」「SDGsを理念で終わらせないために、自分に何ができるのか」を考えることです。この7日間の旅は、単なる観光ではありません。
歴史・支援・文化・教育の現場を訪れ、当事者の声に耳を傾けます。生徒にとって、自身の価値観を揺さぶられる経験となりました。
また、日々の活動を振り返るために問いが設定されており、訪問後はホテルに戻って仲間と議論を行い、その問いに対して自分の考えを言語化していきます。

●実際のツアーの様子
■ベトナムで出会った語られ方の違い
活動初日はベトナムのハノイ。JICAベトナム事務所を訪問し、国際支援は「助ける・助けられる」という関係ではなく、相互発展のパートナーシップであることを学びました。
ベトナム軍事歴史博物館では、日本で学んできた歴史とは異なる視点に触れます。

生徒からは、
「歴史は立場によって語られ方が違う」
「戦争は過去ではなく、現在の社会制度にもつながっている」
といった声があがりました。
また、KimLien高校との交流では、言葉が通じなくても心が通じる経験を得ました。「もっと英語を学びたい」という意欲が自然と生まれました。
●カンボジアで直面した過去
ベトナムからカンボジアへ移動し、首都プノンペンではトゥールスレン虐殺博物館を訪問。知識人や教師が虐殺された歴史を前に、生徒たちは言葉を失います。

「戦争は命だけでなく、教育そのものを壊す」
その衝撃は、CMAC(カンボジア地雷対策センター)訪問でさらに深まります。地雷は現在も人々の生活や通学を脅かしており、戦争の影響が社会に残り続けている現実を実感しました。
また、フランス系NGOが運営する学校を訪問し、現地の学生とともに「より良い未来を創るために何ができるか」を討論しました。
●高校生の挑戦はこれからも続く
密度の濃い1週間を経て、生徒たちは振り返りの中で、戦争が現在にも影響を与えている現実を受け止め、「知らなかったでは済まされない」「小さくても自分の行動には意味がある」と語るようになりました。

ある生徒は、
「日本の方が進んでいると思っていたが、対等なパートナーだと感じた」
と話し、
「10年後、100年後を見据えて行動したい」
と未来への意志を示しました。
●アンケート結果
ツアー終了後のアンケートでは、「他の人にも伝えたいか(10段階)」の平均が9.77という結果となりました。
参加者からは、
「世界の広さと自分の視野の狭さを実感した」
「SDGsが抽象的な概念ではなく、現実の問題として理解できた」
といった声が寄せられました。
このプログラムは、知識を得るだけでなく、自分の立ち位置を問い直し、社会との関わり方を考える契機となっています。
世界を知ることは、自分の生き方を問い直すこと。
この旅をきっかけに、日本人として何ができるのかを考える生徒が生まれています。
長野県では、参加者が「ウイングシェア」として学びを発信する活動も始まっています。今後の活躍が期待されます。
