
はじめに
千葉県白井市神々廻にある「エコ・ファクトリー神々廻の森」は、株式会社丸幸の再資源化拠点として、紙くずやプラスチックを燃料「RPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)」へと生まれ変わらせています。創業から半世紀以上、廃棄物の収集・運搬・処理を担ってきた丸幸では現在、「処理する企業」から「循環を生み出す企業」へと進化しようとしています。

RPFという新しい挑戦
現在、丸幸が注力するのは、廃棄物から固形燃料「RPF」を製造する取り組みです。丸幸では月間1,800トン~2,000トン、年間約20,000トンを生産し、約11,000トンのCO₂削減効果を実現。これは樹齢50年の杉の木約103万本分、東京ディズニーランド24個分(約1,130ヘクタール)の森に相当します。RPFは製紙工場などで石炭の代替燃料として利用され、ごみが再び“紙”として生まれ変わる資源循環の一翼を担っています。
廃棄物処理業から資源循環業へ
これまで「廃棄物=処理するもの」とされてきた価値観を、「廃棄物=資源」として捉え直すのが丸幸の挑戦です。再利用・再資源化・再生エネルギー化という循環の輪を自らの手で広げ、持続可能な社会の実現を目指しています。廃棄物処理業から「資源循環業」へ。企業活動を通じて、次世代に「還す」仕組みをつくることが、丸幸の新たな使命です。
ペットボトルリサイクルの先駆けとして
丸幸は1974年創業以来、古紙回収業を皮切りに廃棄物処理業を全般的に開始し、1997年の容器包装リサイクル法施行にあわせて日本でも早い段階でPETボトルの再資源化事業をスタート。2002年には千葉栄工場を開設し、「もったいない精神」を原点に、自治体・企業と連携しながら高品質なリサイクル技術を磨いてきました。こうした積み重ねが、今日の環境技術の基盤を支えています。

「環境教育」から広がる輪
丸幸の取り組みは、単なる技術革新にとどまりません。出前授業や工場見学などの環境教育にも力を入れ、子どもたちが「ごみ」や「資源循環」を自分ごととして考える機会を提供しています。未来の世代が環境に対して主体的に行動できるよう、学びのきっかけをつくっています。
想いと使命
かつてスポーツの現場で働いていた筆者は、「子どもたちが安心してスポーツができる地球を残したい」という思いから、環境分野に飛び込みました。その思いは、丸幸の理念と重なります。子どもたちに“きれいな地球”を手渡すために、企業・行政・地域が協働して循環の輪を広げていく。それが、丸幸が描く未来の姿です。
未来へのメッセージ
「カタチを変えて、未来へ還す」。この言葉には、丸幸の全ての活動に通じる想いが込められています。資源循環を通じて社会と次世代をつなぎ、持続可能な未来をともにつくっていく。丸幸の挑戦は、今まさにその第一歩を踏み出しています。
