【探究の種】モリンガの植林を起点とした社会課題解決に向けた取組みin 宮古島

モリンガは、高い栄養価と優れたCO₂吸収力を兼ね備え、「奇跡の木」とも呼ばれる植物です。本記事では、一般社団法人モリンガの森プロジェクト協会が宮古島で取り組む植林活動を起点に、環境保全や地域産業、教育、福祉など、多様な社会課題の解決へと広がる実践を紹介します。一つの植物から、人と地域、そして未来へとつながる新たな価値づくりの可能性に迫ります。

モリンガとは?

モリンガは、インドやアフリカを原産とする植物で、暑さに強く、寒さには弱い植物です。栄養価の高さが注目されており、国連WFPの「世界食糧計画」においても、「地球の食料不足を補う食品」として紹介されています。

モリンガの大きな特徴は、90種類以上の栄養素をバランスよく含んでいることです。クレオパトラが愛した木ともいわれ、太古の昔から人々の暮らしの中で重宝されてきました。

また、飢饉に苦しむ地域とモリンガが自生するエリアが重なる部分も多いことから、「神様の木」「薬箱の木」とも呼ばれ、古くから人々を支えてきた植物でもあります。

さらに、モリンガは成長が非常に早く、夏場には1か月で2メートル以上伸びることもあります。その分、二酸化炭素の吸収量が高く、地球温暖化を抑制する植物としても注目を集めています。

一般社団法人モリンガの森プロジェクト協会とは?

私たち一般社団法人モリンガの森プロジェクト協会は、栄養価とCO2吸収力の高さを兼ね備えるモリンガに魅了され、沖縄県宮古島でモリンガの植林をスタートしました。

「1本でも多くのモリンガを植える」ことをミッションに掲げ、植林を起点に、人々の健康増進とさまざまな社会課題の解決に向けて行動することを活動の根幹にしています。

キャッチフレーズは、「あなたと地球のお医者さん」。

モリンガの植林・生育・加工・販売を通して、地球温暖化の抑制、耕作放棄地の解消、高齢者・障害者雇用、教育機関との連携、企業のESGサポート、単身世帯のケア、動物保護団体への飼料提供など、幅広い取り組みを行っています。

私たちのプロジェクトは、SDGs17項目のうち16項目に該当すると考えています。モリンガを植えることは、単に植物を育てることではありません。環境、健康、福祉、教育、産業をつなぎ、地域の未来を考えるきっかけにもなっています。

活動事例

① 教育機関との連携

宮古島市教育委員会や、小中高校、こども園、特別支援学校などと連携し、植林体験、モリンガ苗の無料配布、環境セミナーなどを実施しています。

環境セミナーでは、絵本の読み聞かせや、地球温暖化についての講義などを行い、子どもたちが身近な自然や地球環境について考える機会をつくっています。

宮古島には、美しい海と豊かな土地があります。その自然を次の世代へ受け継いでいくために、子どもたち自身が「自分たちの島を大切にしたい」と感じられる学びを届けたいと考えています。

② 企業のESGサポート【企業研修ツアー】

企業向けには、植林体験をはじめ、宮古島市の協力のもと、市の歴史や文化について学ぶ講義、高校生や特別支援学校の生徒との交流を組み合わせた研修ツアーを実施しています。

参加者は、宮古島の自然や文化、地域課題に触れながら、環境保全や地域との関わりについて学びを深めます。また、その学びを本業にどう生かすかを考えるプログラムとして企画・運営しています。

今年度からは、学生向けの修学旅行ツアーや国内留学プログラムも実施予定です。モリンガの植林を入口に、地域の自然、産業、福祉、教育を横断的に学べる機会を広げていきたいと考えています。

③ モリンガの製品化

モリンガの価値をより多くの人に届けるため、商品開発にも取り組んでいます。

昭和7年創業の人気店「古謝そば屋」様にご協力いただき、「モリンガ宮古そば」を開発しました。生麺の冷凍商品で、もちもちとした食感が特徴です。現在は島内の飲食店でも取り扱いが増えています。

また、TBSの経済番組「がっちりマンデー!!」でも取り上げられ、注目度もさらに高まりました。2025年度からは、宮古島市のふるさと納税返礼品にも選出され、ご好評をいただいています。

製品が流通することで、モリンガの植林が進み、農家や加工に関わる方々の仕事にもつながっていきます。モリンガを育て、加工し、届ける一連の流れをつくることは、地域の新たな循環を生み出すことでもあります。

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。

私たちは、さまざまな団体や個人と「共創」し、「利他」の精神をもって志縁の輪を広げ、その価値を後世へ「循環」していく仕組みをつくっていきたいと考えています。

モリンガは、健康や環境に役立つ植物であると同時に、人と人、地域と社会をつなぐきっかけにもなります。

宮古島で1本のモリンガを植えることから始まった取り組みが、子どもたちの学びや企業の研修、地域産業、社会課題の解決へと広がっていく。そこに、私たちが目指す未来があります。

最後に、一般社団法人モリンガの森プロジェクト協会代表の矢部剛が、この協会を立ち上げた理由を子どもにも分かりやすく紹介している動画があります。ぜひご覧ください。

https://www.youtube.com/channel/UC49s5p7nskFm4oMp-_Tobtw