事業創業の想い
私は小さい頃から、鉄道をはじめとする公共交通で旅をするのが大好きでした。日本・世界各地を巡るなかで、その土地ごとの空気、文化、人々や言葉に触れられることに強く惹かれていたのだと思います。
大人になり、仕事や活動を通じてさまざまな地域に関わるようになってからも、その感覚は変わりませんでした。実際に足を運んで見ると、どの土地にもそれぞれの魅力があります。外から眺めているだけでは見えてこない価値が、現地には確かに存在しています。
一方で、その価値が十分に知られていないと感じる場面に、何度も出会ってきました。興味深い資源や営みがあっても、それがうまく外に伝わらなければ、世の中には存在しないものとして扱われてしまうことがある。私はそのことに、ずっともどかしさを感じてきました。
このような背景から、私自身、「地域創生」をキャリアのテーマの一つとして活動してきました。現在の東京など都市部への一極集中な社会構造に対しての不安感をもっていることも理由の一つにあります。
そして、数年前には「地域おこし協力隊」として東京から千葉県銚子市へ移住も経験しました。そこでは、自然や文化、産業、人と人とのつながりなど、その土地ならではの魅力に日々触れることになります。この経験から、「現地にある価値を外に伝わる形に整えることが大切なのではないか?」と考えるようになったことが、今の仕事の出発点になっています。
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すでにある価値を、きちんと見つけて伝えたい
現在、私はメルカトル株式会社を立ち上げ、メディア制作やSNS運用、広報・PR支援を通じて、企業や団体が自分たちの言葉で発信していくための土台づくりに取り組んでいます。社名の「メルカトル」は、世界を地図として可視化し、進むべき方向を示してきたメルカトル図法に由来しています。私たちも、まだ世の中に十分に知られていない価値を見つけ、それを伝わる形にしていきたいという思いを込めて、この社名を付けました。
こうした仕事を通じて、私は発信の力を何度も実感してきました。以前より自分自身もクリエイターとして活動し、世間に知ってもらうことでその商品・サービスに血が通い出すという、発信の持つ力を実感するようになりました。同じ内容でも、誰がどのように伝えるかによって、相手に届く度合いは大きく変わります。少し表現を工夫するだけで、見てもらえる人数も、関心を持ってもらえる深さも変わってきます。
これから目指したいのは、全国各地それぞれの企業や団体が、自分たちの伝えたいことを自分たちの言葉で発信できる、一人ひとりの発信力を高めることです。自分たちの発信力がしっかりと育てば、本当に外向きに伝えたい情報をあらゆる形で正しく・無限大に伝えることができます。私たちは、そうした仕組みづくりに伴走していきたいと考えています。
この「伝える力」は、企業や団体だけでなく、これからの時代を生きる学生たちにとっても、ますます重要になるはずです。AIの進化によって、知識やデータの蓄積、それらを咀嚼したうえでの理論的なアウトプットは、今後より一層、機械の得意分野になっていくはずです。だからこそ人に求められるのは、「何を知っているか」だけではなく、「自分が何に心を動かされたのか」「なぜそれを大切だと思ったのか」を、自分の言葉で語れる力なのではないでしょうか。
自分の言葉で語るプレゼンテーションやメッセージには、その人自身の実感や気持ちが乗ります。AI時代だからこそ、そうした人間味のあるコミュニケーションは、これまで以上に色濃く、重要な特徴になっていくと思います。
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メディア制作は「伝える力」を育てる学び
その意味で、動画をはじめとするメディア制作には、大きな教育的価値があると感じています。メディア制作は、単に撮影や編集の技術を学ぶことではありません。何をテーマにするのかを考え、必要な情報を集め、人に話を聞き、自分なりに整理しながら、「何を、誰に、どう伝えるのか」を組み立てていく作業です。これはまさに、探究と表現が一体になった学びだと思います。自分の関心や問いを起点にして、それを他者に伝わる形へ変えるプロセスこそ、大きな意味があります。
誰もが表現者になる時代へ。この流れは、これからますます強まっていくと思います。だからこそ、伝える力は一部の特別な人だけのものではなく、これからを生きる一人ひとりに必要な力になっていくはずです。メルカトル株式会社は、見えにくい価値を伝わる形に整える仕事を通じて、その一翼を担っていきたいと考えています。
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